よくあるご質問

信託事務を行う受託者の暴走を抑えるには!? (受益者代理人)

家族信託をすると、信託財産は受託者が管理・運用・処分することになります。
家族信託は、家族間の信頼関係があるからこそ成り立つものなので心配する必要はないかもしれませんが、信託財産を悪用しようと思えば、誰にもバレずに好き勝手することもできるかもしれません。

家族が財産を管理できる他の制度には、成年後見制度があります。
成年後見制度発足当時は、本人の財産を管理する成年後見人になるのは大半が家族だったものの、家族の不正が頻発し、今では家族が財産を管理する後見人になれるのは全体の23.2%となっています。(最高裁判所「成年後見関係事件の概況 平成30年1月~12月」)

成年後見制度でこのような家族の不正の経緯があるため、家族信託で財産管理をすることになる受託者の暴走をあらかじめ防ぎたいのであれば受益者代理人の利用を検討してもいいと思います。
家族信託の導入時はお元気であっても、今後認知症等によって判断能力が低下すれば適切に受託者の監督をすることはできなくなるおそれがあります。
受益者代理人についての詳細は以下をご確認ください。

受益者代理人とは、受益者を代理する者のことで、受益者のために代わりに権利行使をします。受益者代理人は、受益者の権利に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を行使する権限があります。

家族信託(民事信託)の受益者には次のふたつの役割があります。
受託者を監督する役割」
・「家族信託契約の意思決定をする役割」   

しかし、受益者が認知症などの場合は、それらの役割を担うのは難しいです。
そこで、受益者の「ふたつの役割」を代わりにしてくれる者を選ぶことができ、その者を受益者代理人といいます。
※なお、受益者代理人が選任されると、受益者は受託者監督権等を除いて権利を行使することができなくなります。

具体的には次のような場合に、受益者代理人を選任するかを検討します。
・現時点で受益者が認知症である場合や、重度の知的障がいがある場合 
・将来的に認知症等によって意思能力に問題が生じる場合

そして、受益者代理人は信託契約(信託行為)でのみ選任することができますので、信託契約を設計する段階で受益者代理人を選任するかどうかを決める必要があります。

 

 

 

この記事の監修者

代表 小山好文

弁護士法人アジア総合法律事務所

保有資格:弁護士・司法書士・行政書士

専門分野:交通事故・相続(家族信託)

所属団体:福岡県弁護士会員 第44374号

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