相続とは

突然おこる相続、なにをするのか。

相続とは、誰にでも起こりうるできごとですが、突然起こる場合が多いでしょう。

大切な方が亡くなり、のこされた家族は、深い悲しみのなか、葬儀・法要の手配や、届出・相続手続きを行わなければなりません。それらの手続きには、期限があるものもあり、知らないから・そのような気にはまだまだなれないから・忙しいからと後回しにするわけにもいきません。

相続手続きでは、様々な機関からたくさんの書類の提出を求められたり、手続きが複雑な場合があります。相続手続きに慣れている方はそう多くはないでしょう。

また、近年では、自身の相続が発生したときのために準備をしておきたいとお考えの方は増えてきているようです。

〈相続が発生して、お困りになっていること〉(一例)

  • 相続が発生して、することが多く、なにからしてよいのかわからない。
  • 相続の手続きをするにあたり、必要な書類が多くあり、取り寄せ方がわからない。
  • 銀行の相続手続きを行うために、銀行窓口の受付時間に出向く時間がない。
  • 相続手続きを進めたいが、他の相続人と話しがまとまらない。
  • 遺産(相続財産)について、なんだか腑に落ちないことがある。(使い込みなどの可能性)
  • 相続財産はどうやって調べたらよいのだろう。
  • 生前借金をしていたと思うが、どうやって調べたらいいのだろう。
  • 遺言書を作成していると生前聞いていたが、探しても見つけられない。
  • 故人の出生から死亡までの戸籍を集めるように言われたが、戸籍の読み方がわからず集められない。

〈自身の相続が起こったときに心配なこと〉(一例)

  • 自分が亡くなったあとの、配偶者の生活が心配だ。
  • 自分の相続が起こったときに、子供たちが財産を巡って不仲にならないか不安だ。
  • 理由があって、自身の財産を相続させたくない者がいる。
  • 自分の亡き後、あの財産はだれに引き継いでほしいという希望がある。

【相続】のお悩みは、さまざまです。冒頭でもお伝えしたように、相続手続きにの中には期限がある手続きもありますし、後回しにしていると相続人が増えたりたり、相続関係や預貯金の入出金の履歴が取れなくなるなど(預貯金に不可解な点がある場合)、複雑になっていくものです。相続について、お悩みや不安がある方は、法律事務所を訪ねて、話をしてみるのもひとつの手段だと思います。

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遺言書があるのかないのかで、大きく変わる相続手続き

相続が発生し、相続手続きを進めようとするときに、遺言書がある場合とない場合とでは、手続きが大きく異なります。

相続が発生したら、お亡くなりになられた方が、遺言書を遺していないか、確認をしましょう。遺言書を遺していた場合、遺言書の内容に従って相続財産(遺産)を分けることになります

亡くなられた方から生前に、「遺言書の作成をしている。」と知らされていることは、そう多くはないでしょうから、遺言書を探す場合に、どこを探したらよいのかお困りの方は、参考にしてください。

☑自宅を探す。
☑亡くなられた方が生前付き合いのあった探すった弁護士や税理士に連絡をしてみる。
☑公証役場にて、遺言検索を行う。
☑法務局(遺言書保管所)で遺言書保管事実証明書の交付請求を行う。
☑貸金庫を探す。

遺言書は、主に「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類あります。

「自筆証書遺言」と「秘密証書遺言」については、亡くなられた方(被相続人)の最後の住所地を管轄する家庭裁判所で、遺言書の検認手続きを行う必要があります。封がされていたのならば、開封してはいけません。
「自筆証書遺言*」…法務局(遺言書保管所)にて保管されている自筆証書遺言については、家庭裁判所の検認は不要です。

「公正証書遺言」については、家庭裁判所での遺言検認の手続きは不要のため、公正証書遺言の内容に沿って相続手続きを行うことができます。

見つけた遺言書が法的な要件を満たしていない場合や、遺言書がない場合については、相続人全員で遺産の分け方を話し合って、相続財産(遺産)をわけることになります。相続財産(遺産)の分け方について、相続人全員で話し合うことを、「遺産分割協議」といいます。遺産分割協議を行い、遺産の分け方について話がまとまったら「遺産分割協議書」を作成しましょう。

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相続人を調べる

相続が発生したら、相続人を確定させる必要があります。亡くなられた方(被相続人)の、出生から死亡までの連続した戸籍を集めることで、たとえば隠し子や他の相続人がいることがわかる場合もあり、出生から死亡までの連続した戸籍をを確認することで、法定相続人(民法で定められた、遺産を相続できる人)が誰なのかを確定します。

亡くなられた方(被相続人)が遺言書を作成していない場合や、見つけた遺言書が法的な要件を満たしていない場合には、法定相続人全員で相続財産(遺産)の分け方について話し合い(遺産分割協議)をする必要があり、ひとりでも法定相続人がかけた状態で遺産の分け方について決定した場合は、その話し合い(遺産分割協議)は無効となりますので、法定相続人の確定は必須です。

なお、相続手続きには、亡くなられた方(被相続人)の出生から死亡までの連続した戸籍謄本(除籍、改製原戸籍を含む)と、法定相続人の現在の戸籍が必要となりますので、戸籍を集めるのはとても大変なことが多いです。

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相続人に認知症の方がいる場合

亡くなられた方(被相続人)が、ご高齢な場合、相続人も高齢な場合が多いでしょう。

認知症や知的障害などで判断能力が十分になく、財産の管理や契約を自身で行うことが難しい相続人がいる場合は、成年後見制度を利用します。

 

相続財産を調べる

相続財産は、プラスの財産だけではなく、マイナスの財産も含まれます
「相続財産」といっても、現金・預貯金、土地や建物(不動産)、株式などの有価証券、自動車や貴金属などの動産、ゴルフ券や貸付金などの経済価値のあるもののみならず、ローンや借入金といった負債、損害賠償債務などマイナスの財産と言われるものも「相続財産」となります。

相続が発生したら、亡くなられた方(被相続人)がどのような財産をいくら持っているか、借入金などの債務があるのか・ないのか、債務がある場合はいくらあるのかを確認しましょう。

相続をするか、相続をしないか決める

相続財産とは、経済価値があるプラスの財産だけではなく、借入金や亡くなられた方名義の債務、そのほか個人保証や連帯債務などのマイナスの財産も含まれています。
相続においては、相続人の意思で、下記の3つの相続方法から選ぶことができます。

①単純承認…全面的に相続を承認する選択
②相続放棄…被相続人(亡くなった方)の権利や義務を一切承継しないという選択
③限定承認…プラスの財産からマイナスの財産を差し引き、プラスの財産が出た場合は余りのプラスの財産を相続し、マイナスの財産が多い場合については相続人自身の固有財産を持ってマイナスの財産を負担しないという選択

特に、【プラスの財産<マイナスの財産】のケースで、相続手続を後回し・放置していると、相続の放棄や限定承認を選択したくとも選択することができなくなり、これらができない場合は、プラスの財産のみならずマイナスの財産を含めた一切の権利や義務を無制限・無条件に承継を承認することとなります。相続放棄と限定承認については、相続人が「自己のために相続の開始があったことを知ったとき」から「3か月以内」という期間の定めがあります。

相続財産の分け方について

相続財産の分け方は、遺言書がある場合とない場合とでは手続きが異なります。遺言書がある場合とない場合の分け方についてみてみましょう。

【遺言書がある場合】の相続財産の分け方について

遺言書がある場合には、遺言書の内容が優先されます。

【遺言書がない場合】の相続財産の分け方について

亡くなられた方(被相続人)が、遺言書を作成しているとは限りませんし、見つけた遺言書が法的な要件を満たしていない場合には、法定相続人全員(相続放棄をした方を除く)で、【誰が】【どの相続財産を】【いくら】相続するかを、法定相続人全員で話し合って、決めなければなりません。相続財産(遺産)の分け方について、法定相続人全員で話し合うことを、「遺産分割協議」といいます。

遺産分割の方法は、次のような種類があります。

  • 現物分割  
  • 代償分割
  • 換価分割
  • 共有分割

遺産分割協議を行ったら、「遺産分割協議書」を作成する

遺産分割協議を行い、遺産の分け方について話がまとまったら「遺産分割協議書」を作成します。遺産分割協議に、法定相続人のうち一人でも協議に参加していないと場合は、その遺産分割協議は無効となります。

遺産分割協議書には、法定相続人全員が署名捺印を行います。遺産分割協議書に捺印をする印鑑は、実印を使用しましょう。遺産分割協議書を作成する前に、実印をお持ちでない法定相続人がおられたら、実印を作成・印鑑登録まで済ませておきます。法的には、遺産分割協議書に捺印する印は実印でなければならないとは書かれていませんが、相続手続きを進めるにあたり、必ずといえるほど、遺産分割協議書(実印での捺印)と印鑑証明書はセットでの提出を求められます。なぜならば、実印による捺印と一緒に印鑑登録証明書があることで「確かに本人が実印を使って押した書類」であると認められるからです。

なお、「遺産分割協議書」に不備があると、作り直しが必要となったり、全員が実印で訂正印を押印しなければならなくなるなど、かなりの手間がかかるので、書類の作成は弁護士に依頼することがオススメです。

 

相続手続き(名義変更)について

遺言書によって又は遺産分割協議の結果、誰がどの財産を相続するか決まったら、相続手続き(相続財産の名義変更)を行います。相続する財産によって、手続き方法は異なります。

預貯金の相続について

相続が発生したら、亡くなられた方(被相続人)の口座がある金融機関に連絡を行いましょう。金融機関は、預貯金口座の名義人の死亡を知ったときに口座の凍結を行います。口座が凍結すると、相続が確定するまで、金融機関は基本的に現金の引き出しや口座振替などの引き落としができないようにします。

なぜ凍結されるかというと、亡くなられた方(被相続人)の財産を守るためです。

預貯金口座の名義人が亡くなられた場合に必要な書類については、金融機関によって異なります。預貯金口座の相続手続きというのは、具体的には、解約(払戻)又は名義変更手続きを行うことです。
*口座の名義変更ができる金融機関もあれば、名義変更はできない金融機関もあります。

預貯金の相続手続きの際に、基本的に必要となる書類
・相続届け(各金融機関に、所定の書類があります)
・亡くなられた方の死亡の事実がわかる戸籍謄本及び出生から死亡まで連続した戸籍謄本
・遺言書又は遺産分割協議書
・相続人全員の戸籍謄本(遺言により、相続手続きをする場合は、相続することになった人の分)
・相続人全員の印鑑証明書(遺言により、相続手続きをする場合は、相続することになった人の分)

家や土地など不動産の相続について

家や土地を相続した場合は、相続登記を行います。近い将来、相続登記は義務化される可能性がありますので、相続が発生し、相続する場合には速やかに相続登記を入れましょう。

該当する不動産の所在を管轄する法務局で、所有権移転の登記を行います。相続により不動産を取得した相続人本人が登記手続きを行うこともできますが、司法書士に依頼して手続きをされる方が多いです。

不動産の相続手続きの際に、基本的に必要となる書類
・登記申請書
・遺言書又は遺産分割協議書
・亡くなられた方の死亡の事実がわかる戸籍謄本及び出生から死亡まで連続した戸籍謄本
・亡くなられた方の住民票の除票
・不動産を取得することになった人の、住民票又は印鑑証明書
・最新の固定資産評価証明書
・相続人全員の戸籍謄本(遺言により、相続手続きをする場合は、相続することになった人の分)
・相続人全員の印鑑証明書(遺言により、相続手続きをする場合は、相続することになった人の分)

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株などの有価証券の相続について

株式などの有価証券については、名義変更を行う必要があります。証券会社の口座で管理されている上場株式については証券会社にて手続きを行います。

預貯金のように、解約(払戻)か名義変更を選択するのではなく、名義変更が必要になります。売却や解約を希望する場合でも、一度相続人に名義を変更してから、名義人自身が売却や解約をすることになります。証券会社に口座を持っていない場合は、自分自身の証券口座を開設する必要があります。

その他の財産の相続について

預貯金、不動産、株などの有価証券以外にも、亡くなられた方(被相続人)の財産は様々でしょう。その他にも自動車など、財産の性質に応じた相続手続きが必要になります。相続された財産の名義変更は、のちのちトラブルになるのを防ぐためにも速やかに行いましょう。

 

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