年末年始目前!だからこそ話そう。家族全員で話しておきたい3つのこと。

2020年も残すところ、あとわずかとなりました。
街は、クリスマスモードから一気に年末年始に向けて変わりましたね。
子供たちが、高齢であろうサンタさんのことを心配していたので、WHOは定例記者会見の記者からの質問に「サンタクロースはウイルスの免疫を持っている。プレゼントを配るために世界中を移動できる。」とコメントを発表し、すこし気持ちがほっこりしました。
さて、サンタクロースは、ウィルスの免疫を持っているので世界中を移動できたようですが、人はまだまだ活発に移動することはなかなか難しいところです。今年の年末年始の帰省について、ある調査によると6割を超える人々が「帰省をやめる」と回答しているそうです。

そんな中、「孫に会いたい」という両親への気遣いや、「コロナだからこその年末年始の過ごし方」として、オンライン帰省というものが生まれました。

今回は、家族皆が集まる、家族水入らずの大切な時間・貴重な日に、とても大切な将来の話を家族みんなでしてほしいという願いを込めて、このコラムを書こうと思います。

生命保険、医療保険には入るのに?

突然ですがあなたは、生命保険に入っていますか?
生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査」(2018年度)によれば、約9割の人が民間の保険(以下、保険)に加入しています。どうして多くの人が保険に入るのでしょう?

・医療費や入院費のため
・万一の時の家族の生活保障のため
・万一のときの葬式代のため
・老後の生活資金のため
・災害、交通事故などにそなえて
・介護費用のため
・相続、相続税の支払いを考えて
・万一のときのローン等返済のため

出典:(公財)生命保険文化センター、「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査(速報版)」

このように、万が一に備え、自分のため・家族のために保険に入るのに、多くの人は、介護の話はまだ早い、相続の話をするのは縁起でもないと嫌悪感を示します
人生100年時代、介護の問題はいつか身近に起こりうるものでしょう。人は、生まれたら必ず死がやってきます。
それなのに、【介護】【延命治療】【相続】についての話を、‟縁起でもないと”と蓋をしてよいのでしょうか?

家族全員が集まる日だからこそ話せること

【介護】【延命治療】【相続】の大切な話は、家族全員で話し合うことが望ましいでしょう(家族間の関係によっては、話し合いを行わないほうがよい場合もあります。)。もちろん、自分ひとりで【延命治療】【相続】について決めることもできます。
この【介護】【延命治療】【相続】は、親御さんが元気なうちに、話す機会を持てるか持てないかで、今後の家族の関係性に大きな影響を与えるかもしれません。

大人になってから、家族全員が集まる機会は、お盆・年末年始・ゴールデンウイークといった長期休暇が多いようです。なかなか小さな孫たちがいる前では、お金、介護、相続に関する話はできないでしょうから、【家族会議】を親と子らで開く日程を事前に調整をしておいてくとよいでしょう。

親から子らへ「家族会議」を呼びかける方が話はスムーズ

当事務所では、遺言や家族信託といった生前対策の必要性を伝えようと、相続・家族信託の基本セミナーをよく開催しております(現在はオンラインにてセミナーを開催中!)。参加される方は、ご自身の相続について検討されている方のみならず、40代~60代の親の介護・相続による不安を抱えて、セミナーや個別相談にお見えになる方も大勢いらっしゃいます。
そして、親の介護・相続で不安を抱えてこられる子供世代の方は、私たちにこういうのです。
「親に遺言を書いておいて欲しいとは、私たちからは言いづらい。。」
「もし認知症になったらという話を始めると、「私は認知症にはならない!」と聞く耳を持ってくれない。」
「親の介護をするのは、距離的に(他の兄弟よりも近くに住む)私しかいないけど…お金の立替までは厳しい。親の蓄えから、親の医療・介護費用をだすことにはなっているけれど、もし認知症になったりしたら口座が凍結して引き出しができないっていうし、仮にお金を立て替えたとしても、立て替えた分はいつか戻ってくるのでしょうか。」
子供世代は、親の相続・介護の事を考えていても、お金の話も必然となるこの話題を、子どもから親に切り出すのは、無理難題ものなのです。

子どもから親へ話を切り出すタイミング

親から子らへ「家族会議」を呼びかける方が話がスムーズな理由は先ほどお伝えしましたが、そうではない場合もあるでしょう。子供から切り出す場合のタイミングは、話の流れをうまくつかむことでしょう。

「最近歳をとってきた」「忘れっぽくなってきた。」「体調がよくない。」「■さんが身の回りの整理をはじめたそうだよ。」といった話が出たときが切り出すタイミングです。

「ところで、▲▲さんが言ってたけど、介護費用とか葬儀費用とか、結構かかるらしいよ。うちは」といった感じで切り出します。

家族で話したいことその1 【介護】

介護が必要となるその日は、ある日突然やってくるかもしれません。突然のケガや病気はだれにも予想がつかないものです。そして介護については人それぞれ希望が異なります。家族からの介護を望む人、施設に入りたいと望む人、その望みは本人にしかわからないことでもあります。
また、介護・医療に係るお金についても事前に話し合っておくことがとても大切です。介護や医療サービスを利用するには、費用が発生します。入院したり、介護施設に入所する場合、毎月の支出は十数万~数十万円必要となるでしょう。

お金が絡む話はすぐに結論が出せないとしても、「お金の話は追々に…」と避けていると、将来あなたの生活を苦しめることになるかもしれません。なぜなら、ご本人の意思表示が難しい場合や判断能力が低下している場合に、本人口座からの支払い・引き出しの手続きできない状況になることがあります。銀行は、名義人が認知症であると把握した場合、口座の凍結を行う可能性は高いといわれています。(現在、請求書がある場合など、明確に本人の生活費用であることがわかる場合は、その金額を引き出せることも可能となりつつあるが、銀行によって対応は異なる。)このような状況になると、成年後見人を立てたり、費用負担は子らで行うことになるます。毎月数十万円~十数万円の立替を子が行ことは容易なことではないでしょう。

このことから、家族で十分に、将来の介護について、元気な今のうちから話し合っておく必要はあるといえるでしょう。ご本人様の収入によって、医療費や介護費の一部負担割合は異なりますから、月々一体いくら必要なのか計算をしてみると具体的にイメージができるのではないでしょうか。

次の図は、福岡県の介護施設の入居に係る費用(平均)と、要介護3の1割負担の場合のひと月に係る費用を計算したものです。

「認知症」に特化した民間の介護保険はよくCMで見かけるようになり、加入する人も長生きリスクに備えて、介護に関する保険に加入されている方も増えてきているので、保険の加入状況についても確認しておくことが良いでしょう。

家族で話したいことその2 【延命措置】

当事務所で、生前からの相続の対策(どういう対策をしたら、自分の亡き後家族が揉めないのか?何をしたらいいのか?という紛争防止を目的とした生前対策も含む。)についてご依頼をいただく際には、家族会議に同席又は極力ご家族のお話も伺うえるように努めております。

そんな中で、お子さんから弁護士に、「延命措置が必要になったとしたら、どうしたいのか、希望を本人に聞いてほしいんです。。」とお願いされたことが何度もあります。

お子さんからしたら、親が万一の状況となったとき、お医者さんから「延命措置はされますか?」と聞かれても、どうしたらいいのかとても難しい答えを迫られることとなります。なぜならば、その時点で親本人が意思表示をできないから、どうしてほしいのか聞けないからです。
言い換えるならば、子らは親の命を延ばすか延ばさないかの選択を迫られるということです。

もし、延命措置についての希望を親が元気なうちから、親の口からその意思を聞いていたのならば、子らが医師から「延命措置はされますか?」と聞かれたときには、「親が○○だと言っていたので、○○でお願いします。」と答えることができるでしょう。

子が、【延命措置について、あなたの希望を代弁する】ことと、【親の命を延ばすか延ばさないかを決めることになった】とでは、子の心の負荷が違うのではないでしょうか。

家族で話したいことその3 【相続】

相続は、誰にでも起こりうる出来事です。それは、明日かもしれないし、5年後かもしれないし、数十年後かもしれません。そして、相続が起こったときに、亡くなった人の意思がわかる相続人はどれくらいいるのでしょうか?
亡くなった方の意思は、遺言書がある場合や生前聞かされていたことでしかわからないものです。
例えば、
「この家と預貯金は妻に相続させて、自分が先にもし亡くなったとしても、安心して暮らしてほしい。」
「この家は、長男である●●に継いでほしい。」
「お葬式は家族だけでやってほしい。」
「財産は不動産しかないから、子どもには喧嘩したりしないでほしい。」
などといった本人の財産の承継の希望や、本人の気持ちです。

遺言書がある場合(公正証書遺言がオススメ。その次に自筆証書遺言の法務局保管制度の利用。自筆証書遺言は作成自体は簡単ではあるが、あまりお勧めしていません。)は、相続トラブルは少ない傾向にあります。

しかし、遺言書がない場合は、相続人となる方が、相続の承継を話し合って決めなければなりませんので、そこで、トラブルが起こったときには、なかなか家族といっても仲の修復は難しいでしょう。相談に来られる方のお話を聞いていると、遺言があればこの家族は揉めなかったのかもしれない、と思ったことは何度もあります。
遺言がない場合でも、相続について話し合っていたご家族は、相続の承継について、亡くなられた方が‟常々こう言っていたから、言っていたとおりにしよう”と尊重される家族も多くおられます。

相続が起きた際に、起こりがちな争いの可能性を減らすための第一歩として、相続の話を家族でしてみる機会を作ってみてはどうでしょうか?

最後に

家族といえど、介護や延命措置のこと、相続の話をするには、勇気がいることでしょう。家族水入らずで、楽しい話をするのはもちろんですが、今後の家族のことをこの機会にまじめに話す場を設けることも大切です。

当事務所では、家族間の相続トラブル・紛争の解決のみならず、忙しい相続人の方の代理として相続手続き、生前からの相続・紛争対策にも力を入れています。
世の中から、家族のトラブルを減らしたい、起こさせたくないという使命感をもって、弁護士として力を入れるべき分野だと思っています。相続・生前対策はアジア総合法律事務所にまずは相談ください。