父が亡くなりました。遺産の分け方は、母が他界してから兄弟で話し合って決めたいと思っています。

はじめに

「父が亡くなりました。母は存命で、父の財産は母が全て相続したらよいと、兄弟皆そう思っています。ゆくゆく母が亡くなってから、残っている財産を、どう分けるか兄弟で話し合うことにしようと思っているけど、それでいいですよね?」
と聞かれることがよくあります。(質問は、「父」と「母」とが入れ替わった質問も多いです。)

このように、❝問題を先送り”にしているご家族は少なくないと思います。

問題の先送りってどういうこと?

ここでいう、❝問題を先送り❞というのは、

相続の話し合いを今具体的にはせず、“多分”兄弟みなそれでいいと思っているし、両親が亡くなるまで相続の話し合いはしづらいから、静観しておこう。
であったり、相続手続きって大変そうだから、両親が亡くなってから考えよう。といったところでしょう。

  • 相続人全員で、相続の話し合い(遺産分割協議)を行った結果、母(又は父)が全ての財産を相続することに決まり、遺産分割協議書を作成した場合
  • 亡くなられた方が、「配偶者に、全ての財産を相続させる。」という、遺言書を遺し、他の相続人の異議がない場合
    は”問題の先送り”とは言いません。もちろん、協議書の作成や遺言の確認だけではなく、実際に相続手続きを進めることもポイントです。

相続問題の先送りをするとどうなるのか。

相続の問題は、先送りすることで、相続人の感情のもつれが起き、両親が亡くなったときには、紛糾することが多いのです。

「あの時は、こう言ったじゃないか!!!」
「父が亡くなる前に、貯金が●千万円あると言っていた。誰が取ったんだ!!」
「母を言いくるめて、ちょこちょこお金をもらっていただろう!」
「そういえば、家を買うときお金を出してもらっていたよな?自分の時は出してもらっていない!」
「親を何不自由なく看る代わりに、すべての財産は私がもらう約束だったじゃない!!」

こういう争いが後を絶ちません。

3040

この数字は、1年間に家庭裁判所が扱った遺産分割事件数です。「平成30年度司法統計」(最高裁判所)
家庭裁判所が取り扱う、遺産分割申立件数は年々増加の傾向にあります。

また、生前対策の必要性を伝え、世の中から相続争いをなくしたいという願いのもと、当事務所でもよく生前対策に関するセミナーを開催するのですが、「うちには、揉めるほど財産がないから・・」というお声が聞こえてくることがあります。
相続財産額によって争いが少ないとは言えません

当事務所では、生前からの対策、相続発生後の相続手続きだけではなく、相続トラブル、相続が発生してから数十年放置されたていた相続問題を取り扱うことも多いです。
他の相続人にも代理人がついても、感情的な面(「平等に半分だなんて納得いくわけないでしょう!私は介護もして大変だったのに、あなたはなにもしていないじゃない。」「あの財産は、私に譲るといわれていたんだから、びた一文譲らない!」「不動産はいらないから、金銭を多めにもらいたい。」などなど。)から話し合いでまとまらず、話し合いの場を家庭裁判所に移して、遺産分割協議事件として長期で争うことがたくさんあります。

裁判所が取り扱うという事は、使い込みの証拠や、どれだけ介護が大変だったのか・具体的に何をしてきたのか、立証していく必要があります。相続発生から、時間経っていれば経っているほど、証拠を集めたり立証することは難しくなっていきます。

相続争いの結果はどうなるのか。

金銭が絡むだけあって、一度相続で揉めたら、家族といえど、修復することは難しく、二度と口を利かずに他人のように生活をしていくことになる事が大半です。
さて、亡くなった親御さんたちは、子供たちが兄弟の間で相続で揉めるだなんて夢にも思っていなかったでしょう。
きっと「うちは相続問題なんて起こらない」「仲良く、助け合っていってほしい」と望まれていたのではないでしょうか?

相続争いにならないためにはどうしたらいいか?

相続争いにならないためには、自分が亡くなった後どのように財産を誰に承継してほしいかを遺す遺言書(遺言書は遺言書で、自筆証書遺言、公正証書遺言、新しく始まった自筆証書遺言保管制度の利用など種類があり、適切なものを選択する必要がある。)を作成して、相続トラブルを起こさせないように対策をとったり、
相続が発生したタイミングで、相続について相続人が十分に協議をして、遺産分割協議書を作成し、しっかりと財産の承継をすることが適切でしょう。

問題を先送りにすればするほど、複雑に、難しくなっていくものです。

 

当事務所では、相続に不安があり相続対策をしたい方、相続手続きを任せたい方、相続トラブルを解決したい方など、相続が起こる前から起こった後まで、どのようなケースでも解決が目指せるよう、知識の研鑚に努めておりますので、少しでもお困りのことや悩まれていることがあれば、お気軽に当事務所にご相談ください。